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バンドマンな彼は学校のスター!ライバル多し


高校2年生の頃でした。その頃、片思いしている先輩がいたんです。とてもカッコよくて、バンドもやっていて、さらにヴォーカルだったため、他校にも彼のファンがたくさんいるほどでした。

もちろん、同じ高校にもファンはたくさんいて、その人を好きと言う女子は数えきれないほどだったんです。でも、私はファンではなくて、本当に彼のことが好きだったんです。付き合いたいと思っていたんです。でも、告白するにも、周りにいる女子が多すぎて少しも私の存在になんて気づいてもらえない状態です。

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ですが、もし私が彼に告白したとしても、「あんた誰?」から始まるレベル。だからまずは自分の存在を知ってもらいたいと思い、彼のライブに行ったり、彼の部活を見学しに行ったり、移動教室の時、わざと廊下に出て、すれ違ってみたりしていました。

なかなかアピールできない私に有力な情報が!


でもどんなに私の存在をアピールしても、彼には気づいてもらえないんです。次はどうやってアピールにようかと私が悩んでいる時、彼の声で「俺はロングよりショートの方がいいな」と友達と話している言葉が耳に飛び込んできたのです。

その瞬間私は彼の声がした方向へ振り返りました。そして彼と目が合った気がしたんです。

私は実はそのころ、背中まである長い髪が自慢でした。まるでそれを否定するかのような言葉にショックを受けたけれど、これは切るべきタイミングだと感じたのです。「ショートの方が良い」と直接聞けたこと、彼と目が合ったこと、全てが運命だと思いましたね。

目が合った髪の長い私を、彼の中に印象付けておけば、翌日ショートになって表れたら驚いて気づいていくれるんじゃないかと思ったからです。「あれ、昨日長かったよね?」なんて彼から声をかけてもらえるかもと思ったんです。

善は急げ、意を決してその日のうちに私は美容室に行きました。今日も揃えるだけ?と聞く美容師に私は「ばっさりカットしてください、ショートで」とお願いしたんです。

当然美容師さんは驚くし、私も怖くてちょっと震えました。それでも、彼好みの髪になって、気づいてもらいたくて頑張ったんです。

忘れていた、彼が学校のスターだと・・・空前のショートカットブーム


しかし、悪夢は翌日やってきました。ショートになった私が登校すると、なんと同じようにショートになっている女子がたくさんいるではありませんか。

そうなんです。彼は学校の人気者。昨日の彼の言葉を聞いていたのは、私だけではなかったんです。そのため、私以外のライバルも皆同じショートカットしてたというわけ。

これじゃあ、全然目立たない、カットした意味がありません。なぜか学校中の女子が皆ショート。残念すぎます。

当然私と彼がすれ違っても、「あれ、昨日ロングだったよね」なんて気づいてもらえるはずもなく。
「なんかやたらと髪切る女子多いね」と笑いながら去っていく彼。

さらに悲劇は翌々日に起こりました。彼は同じクラスの女の子と付き合い始めてしまったんです。その人の髪はなんと、ロング。

結局髪型なんて関係なかったんだと、私は何のために髪を切ったのかなと悲しくなった事件でした。若気の至りとは、まさしくこのことです。

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