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時代がタイムスリップしたような思い出

まだ10代だった頃の話。家で祖母が髪つや用に椿油を使っていました。ガラスの瓶に入っていた椿油はなんだかレトロチックでその頃の私には古式ゆかしい、なんだか日本の昔のとてもいい女性のたしなみ品に見えて匂いも嫌いじゃなかったし、借りてつけてみたんですね。ちょっとさらっとした感じだったと思います。

それをつけて家にあったそれも古い木の櫛なんか使って、ますます気分は紫式部の時代です。結果、ちょっとポマードつけたみたいにべちょり感があったんですが、まあ良いかとそれで髪に無理やり馴染ませて。

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その頃の私の住まいは田舎で自然豊かだったわけです。そこへ髪を整えた私はいつも通り歩いていて、ちょっと木の葉っぱだとかが髪にかかるような、まあずばり言えば雑草生い茂る、木もまばらにある田舎道を歩いていたわけです。自転車にも乗っていたかは定かじゃないんですが、その日は休みでぼーとしていたから暇で髪に椿油なんて考えたわけで、喉が渇いたので近くの自販機までジュースを買いに出かけて、買って帰ってきたわけです。

歩くコロコロ状態になっていました

それまで特に普通に何事もなかったんですが、家に帰りついた私に母がどこ行ってきたの?と頭の辺りを見て聞くからいつも通りのジュース買いに、と答えたんですが。「鏡見てみな」の一言で姿身で見たら、そりゃどっからつけてきたんだ?と言うような塵のような小さな埃と木の葉っぱが頭に乗っかっていたんです。

そう言えば私は祖母が薄くひき延ばすように付けていた椿油を初めて塗ったものだから喜んで大量に塗りこんでいたわけです。そしてそのべったりした油は自分では上手く整えたつもりでもポマードのようにべとついていたわけで、結果、何日も洗ってない髪みたいなべとついた頭に、よいよいと草木がある場所を横切っていったわけで、その際落ちてきたものは漏れなく全部頭に張り付いて、ちょっと、言葉悪いけど浮浪児のような汚い頭になってました。

ぎゃー、という思いでした。家族みんなに笑われて、花の花粉みたいのもついてるし、虫は幸い付いてなかったけど落ち葉じゃない青々とした葉っぱも張り付いていてなんじゃこりゃ、どこの昭和初期の悪がきだの有様で…。使い慣れてない人間が調子に乗ると碌なことないの手本のようでした。

椿油は扱いの難しいものなんですね。慣れてない素人だとこのように上手くいかない。私ほど酷くなくてもべとついた髪みたいにみられたら上手くしないと不潔に見られそうです。確かに髪はまとまり型崩れしなくなるんですけどね。私は世代的にやっぱりワックスやスプレーの方が使いやすいや、と実感させられた出来事でした。でもいい経験でした。

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